2024年2月22日木曜日

全日本大会2023

 全日本大会に参加してきました.ロボトレースは第5位・特別賞(ショートカット走行へのチャレンジを評価),マイクロマウスは往路の探索,デバッグ用の0.5m/sでの斜め走行のみ成功するという結果でした。


ロボトレースについては金沢の際に発熱が酷かった吸引用モータに直列にインダクタを追加し,タイヤを挙動が素直なゴムタイヤに戻しただけでしたが,そこそこの速度でショートカット走行を成功させることができました.ただし,速度設定を上げるとコースアウトしてなさそうでも途中で走行をやめてしまう挙動が見られたので要調査.本番の4走目のログがなぜか保存できていなかったので,もしかしたらマイコンリセットがかかっているのかも?また,今回は致命傷になりませんでしたが,曲率のきついウェーブで制御が発振する問題をまだ直せていないので,要修正.他の参加者の方々との交流でモチベーションが上がり,色々ヒントもいただけたので,それらも参考にしつつ手を打っていこうと思います.


マイクロマウスは2セル化した新作で臨みましたが,壁センサの挙動が不安定でまともに走れず.会場の試走用迷路で治具を使って再キャリブレーションしても,その試走迷路の中ですら不安定な挙動が見られたので,ハード・ソフトの両面から見直していく必要がありそうです.あと,斜め走行後のログ出力関係のソフトをいじった結果,ゴールからの重ね探索ができないようになってしまっていたので,要反省&要修正(デバッグ用の速度設定で走らせたのは,記録を残すとともに重ね探索をすることを意図していたのだが,これができなかった).


最後になりますが,運営の皆様,楽しい大会を開催してくださりありがとうございました.

2023年9月19日火曜日

トレースもMPU6500に変更

 そういえば,トレースの方も金沢草の根大会前にジャイロセンサをICM-20649からMPU6500に変更した.マウスと違ってトレースは振動で露骨に出力値が飛ぶようなことはなかったのだが,どうにも再現性がなかった(マッピング走行すると記録したコースが毎回異なる歪み方をする).経年劣化によるものなのか元々あった問題なのかはこれまでまともな試走コースがなかったため不明だが,症状は昨年の中部大会で出たものに近い(逆になぜ関西の試走会では発生しなかったんだ?曲率が低いと発生しないとか?).

R10のある金沢のコースでかなり速い設定速度にしてもマッピングは問題なくできていたので,大丈夫そう.トレースで2000deg/sのレンジが問題になるのはまだ先のことだと思うので,戦略的にも問題はないはず.

2023年9月17日日曜日

金沢草の根大会2023


金沢草の根大会に初参加.サンダーバード・ローカル線・路線バスで移動.金沢駅からの移動時間が結構長かった.そして,バスの時刻表を読み間違えて駅で2時間待機することになった...読まないといけない論文を持ってきてなかったら即死だった.(ちなみに帰りは小松駅までアナログトレーサの方の車に乗せていただきました.本当にありがとうございました.)




会場は寮付きの高専の校舎で,運営の方が頑張ってくださったおかげで夜通し調整できるようになっていた.マウスは試走で走らせてみて特に問題なさそうだったので何もいじらずに終了.トレースの方は速く走るポテンシャルはありそうだが安定せず,結構な確率でコース外に吹っ飛んでいく.R10のウェーブで制御が発振している(ショートカット走行していてもラインセンサを見て自己位置推定を補正しているので調整不足だとラインのパターンの影響を受ける)ことはログを見て分かったが,どうにかできないか試しているうちに吸引の挙動も不安定になり,遅めの速度での完走も怪しくなってきた.色々試した結果吸引ファンと吸引用モータの固定が緩んでいることがわかり,接着剤で固定してとりあえず修正したが,発振問題は修正しきれず.

本番は低めの速度設定で完走できたが,4走目でコースアウトしたときにコースの側面と衝突して吸引ファンを破損しそこで競技終了.自分より後に出走した全員に抜かれて5位だった.以下は3競技出場しているhidejr1053さんの参加記録動画.自分のトレーサの走行部分から再生が始まるようになっているはず.



マウスは関西より速い速度で(本番よりも高難度だった試走迷路も含め)安定して走ることができたが,最後3台(2人)には勝てず4位.どうも90度ターンはバッテリー出力の限界が走行性能の限界になっている感じがあるので,流行りの2セル化に手を出す必要があるのかもしれない.ただ,一部のターンは1セル機であることを考慮してもかなり遅いので,他にも何か見落としがあるのかも.




結果は残念だったが,課題が見つかったという意味ではよい経験になった.トレースは毎回のように結果を出せていないのでもう少し頑張りたいが... 楽しい大会を開催してくださりありがとうございました.

2023年8月27日日曜日

マイクロマウス用迷路ベースとロボトレース用コース板の自作(2) 塗装

 前回用意した板につや消し黒の水性塗料を塗装.ロボトレース用の板はホームセンターの在庫の都合でMDFで,吸水性が高く塗料の乗りが悪いらしいので事前にシーラーを塗ってから本命の塗料を塗った(ちなみにマウスの板はシナベニヤ合板).また,塗装の途中で表面のざらつきが気になったので,マウス用の板は塗装後に,トレースの板は下塗りが終わった段階でサンドペーパーで軽く削った(たぶん本来は塗装の前に削った方がいい).よく見ると塗りムラや塗料の膨らみがあるが,まあ許容範囲という仕上がりにはなった.


トレースの板は段差対策として床に両面テープで固定して,ロボフェスのカッティングシートを貼り付けて完成(マーカーはまだ貼ってないけど).



マウスの方はスペースの都合で床に固定できない(ロボトレースのコースの上に置いて使いたい),かつロボトレースよりも段差にシビアなため,段差を抑制するためのさらなる作業が必要.

2023年8月18日金曜日

マイクロマウス用迷路ベースとロボトレース用コース板の自作(1) 穴あけ

自宅ではこれまで4×4迷路とプラダン製の凸凹になったロボトレース用コースで調整を行ってきたが,やれることに限界があるのでもっとちゃんとしたコース板を自作することにした.

ホームセンターで45×90の板を6枚買って,マウス用にする予定の2枚はφ4.5mmのドリルで穴をあけた.電動ドリルのバッテリーが完全にへたっていたので,先人に倣って手動でコツコツ穴をあける.壁がはまるか一箇所ずつ確認しながらということもあり先人よりかなり時間がかかってしまったが,それでも40分で25箇所くらいのペースでなんとか終わった.30分で70箇所って作業効率めっちゃいいですね




これから塗装と段差対策(とロボトレースはシート貼りも)を行う必要があるが,手元の機材的に次は塗装をすることになりそう.

2023年8月15日火曜日

関西地区大会2023

今年も関西地区大会に参加してきました.

2018年に制作した機体と今年製作したマイナーチェンジ機の2台でマイクロマウス競技に出場し,マイナーチェンジ機の方で3位を取ることができました(ロボトレースの方は課題内容の決定に深く関わっているので出場自粛).



前作は吸引マウスの中では直進性能がかなり低い方だったため,マイナーチェンジ機ではその部分を重点的に調整していました.今回の課題迷路は直線がかなり多かったため,結構タイムに効いたと思います.

また,例年と同様にロボトレースの設営もお手伝いしたのですが,今年は自由工房の方が組み立てやすいコース板を新調してくださっていて,板の組み立てがかなりスムーズでした.ただ,路面との相性や経年劣化(?少なくともビニールテープは新しいはず)などの影響でカッティングシート・ビニールテープの粘着がかなり弱かったので,この部分は来年までに何か対策しないといけないですね... あと,カッティングシートをどこで切り出すかも考えないといけません...

次はいつも行っている東日本・中部に参加できればと考えているのですが,今年は本業(研究)との兼ね合いで時期的に難しいかもしれません.ロボトレースの1ポイントは取っておきたいので,もしかしたら金沢にエントリーするかもしれません.(一応学生なので学生大会という最終手段もある)

IMUの振動耐性評価

 前回画像を出したICM-20649の評価用基板は実はマイクロマウスの機体になっていて,実戦的な評価に使おうと考えていました.



しかし,どうもICM-20649はマイクロマウスの振動には耐えられないようで,駆動用モータを空転させてみると2.5m/s 相当の回転数でもヨーレートの計測値に致命的なノイズが乗ることがわかりました.ICM-20649のFIFOを利用して全計測値を取得し,マイコン側で独自のDLPFをかけるという対策も試してみたのですが,おそらく生値の段階で飽和しているため,特に改善はしませんでした.




振動源であるモータとIMUを同じ基板上に載せるというマイクロマウスの構造が間違っているのでセンサに文句は言えませんが,これだと厳しい...ということで,今は妥協して前作と同じMPU6500に張り替えて運用しています.ICM-20649と同様のテストを行った結果は以下の通りで,ノイズが一切出ないというわけではないですが,少なくとも5m/s付近までは ICM-20649よりノイズの量が定性的にかなり少ないです.ちなみにMPU6500は特別なノイズ対策などせず,IMU搭載のDLPFを標準の設定(?)で使っています.



というわけで,この機体でのICM-20649の評価は終了し,今は他の要素の検証に使っています.

同じICM-20649を使っているロボトレースの方では振動ノイズは(プロペラや吸引ファンを回しても)(上で書いたFIFOを使ったノイズ対策を行えば)問題になっていないので,振動耐性以外の特性の評価はロボトレースの機体を使って行うかもしれないです.ただし,そのためにはちゃんと平面が出た試走用コースを用意する必要がある...