2023年8月15日火曜日

IMUの振動耐性評価

 前回画像を出したICM-20649の評価用基板は実はマイクロマウスの機体になっていて,実戦的な評価に使おうと考えていました.



しかし,どうもICM-20649はマイクロマウスの振動には耐えられないようで,駆動用モータを空転させてみると2.5m/s 相当の回転数でもヨーレートの計測値に致命的なノイズが乗ることがわかりました.ICM-20649のFIFOを利用して全計測値を取得し,マイコン側で独自のDLPFをかけるという対策も試してみたのですが,おそらく生値の段階で飽和しているため,特に改善はしませんでした.




振動源であるモータとIMUを同じ基板上に載せるというマイクロマウスの構造が間違っているのでセンサに文句は言えませんが,これだと厳しい...ということで,今は妥協して前作と同じMPU6500に張り替えて運用しています.ICM-20649と同様のテストを行った結果は以下の通りで,ノイズが一切出ないというわけではないですが,少なくとも5m/s付近までは ICM-20649よりノイズの量が定性的にかなり少ないです.ちなみにMPU6500は特別なノイズ対策などせず,IMU搭載のDLPFを標準の設定(?)で使っています.



というわけで,この機体でのICM-20649の評価は終了し,今は他の要素の検証に使っています.

同じICM-20649を使っているロボトレースの方では振動ノイズは(プロペラや吸引ファンを回しても)(上で書いたFIFOを使ったノイズ対策を行えば)問題になっていないので,振動耐性以外の特性の評価はロボトレースの機体を使って行うかもしれないです.ただし,そのためにはちゃんと平面が出た試走用コースを用意する必要がある...

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