2022年3月21日月曜日

コースアウト2

前の投稿は当日の作戦の話に終始してしまいましたが、そもそもなぜコースアウトするのかということと今後の対策について書いておこうと思います。

NVSさんが公開してくださっているアーカイブ動画をコマ送りにして確認した感じだと、コースアウトした場所はおそらくコース中盤の大R後のR10コーナーだと思われます。旋回を開始する位置がコーナーよりもかなり早く、内回りしすぎてコースアウトしたのでしょう。速度を上げるとこの現象が発生すること自体は以前からわかっていて、原因としては以下の3つが挙げられます。いずれも前作の速度域では致命的ではなかったのですが、完成度の高い上位の機体に対抗するためにはやはり対策は必須のようです。

(1) 加減速により駆動輪が空転し、駆動輪の回転数をもとに計算した走行距離が実際よりも短くなっていた

(2) 進行方向の自己位置推定が完全に車輪の回転数計測(オドメトリ)に依存していた

(3) 軌道追従制御におけるターゲットの位置とロボットの位置の偏差が大きくなり、(たとえ自己位置推定のずれがなくても)目標経路よりも内回りな走行経路になっていた

(1)に関して、今回のハードでは駆動輪と別個に自由に回転する車輪(従輪)を取り付け、その従輪の回転数を計測することで駆動輪の滑りの影響を受けないようにする予定でした。しかし、作成した従輪のメカ的な作りが甘く、従輪が段差で跳ねて計測値があてにならなかったため、今回の全日本大会では従輪を取り外し、駆動輪の回転数で走行距離計算(オドメトリ)を行うようにしていました。次は従輪の鉛直方向の摺動性を高めてリベンジしようと思います。

(2) については、具体的な方策はまだないのですが、進行方向の位置ずれの補正が強力であることはマウスの壁切れ補正でよく知っているので、マーカーをうまく使ってどうにかしたいですね。

(3) については、詳細は伏せますが(ちゃんと説明するのが面倒なだけ)ターゲットの位置をロボットの位置に応じて動かすような追従方法に変更することによって既に対策できているのではないかと考えています。問題の箇所の走行ログは残っていないため確証はないのですが、コース後半のログを見る限り、dutyが100%に張り付いているような状況でも目標経路と走行経路のずれは小さく抑えられていました。(ログの画像は気が向いたら追加するかもしれません)

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今大会は結果を残せなかったことは残念でしたが、現行機のテーマである自己位置推定(機体名のL1のLはlocalization)が重要な課題であることが再確認できたのでよかったです。今後、機体名に見合った形になるように改良していければと思います。

最後に、ルール上当然のこととはいえ、ショートカット走行を行うロボットについてコースアウトの有無を判定することは難しかったかと存じます。ビデオを使って厳密に判定してくださった審査員の皆様には感謝しかありません。本当にありがとうございました。また、スタートゲートが反応しなかった件についても早速原因究明・対策していただき、ありがとうございました。競技者としてもセンサを横切る時間が短くなりすぎないよう気を付けようと思います。

2022年3月15日火曜日

コースアウト

 配信のアーカイブを見た時点で怪しいと感じていましたが、認定証を確認したところ全日本ロボトレースの2走目以降はコースアウトしていたようです。2走目が終わった時点でコースアウトの可能性に気付いて3走目の速度設定を落としていれば…というのは少し思いましたが、目視で判断できないからビデオ判定しているという状況なので、まあ仕方ないですね。

これまで、3走目の速度設定は2走目の結果を見て決める、という作戦を取ってきたのですが、ショートカット機の場合は2走目の結果はその場では誰にも判断できないというつもりで作戦を考えないといけないようです。3走目の速度設定を決定するために2走目におけるコースアウトの有無をロボットがセルフジャッジする時代が来るかも?