2019年12月17日火曜日

2019RT テクニカルデータ

大会時にテクニカルデータとして登録したもの.

ロボット名:
F2P
メカニズム(機械):
製作者名:
製作期間:2週間
自分自身で設計したオリジナルです
ハード(電気):
製作者名:
製作期間:1週間
自分自身で設計した回路を主にプリント基板で作りました
ソフト:
製作者名:
製作期間:4ヶ月
自分自身で作ったオリジナルプログラムです
CPU:
系列 : ARM系
メーカ名:STmicro
CPU型番: STM32F4
動作周波数: 84[MHz]
ROM 1.024 [MB] / RAM 320 [kB] / Data Flash 0 [kB]
バッテリー【CPU関係】:
種類・数 :LiPo / 2 [セルor本]
使用電圧(公称電圧):7.4[V]
容量:300 [mAh]
メーカ名:Turnigy
バッテリー【モータ関係】:
CPU関係と共用
モータドライバICの型番やメーカ名など:
DRV8835(Texas Instruments)
走行(推進)用モータ:
DCモータ
2(個)
メーカ名や型番:FAULHABER 1717-003SR
走行用以外のモータ 1:
用途:ダウンフォースのためのプロペラ
DCブラシレスモータ
4(個)
メーカ名や型番:1103
走行用以外のモータ 2:
無し
センサ(種類、個数、メーカ名):
赤外線センサ:28(個)
メーカ名や型番、用途や特徴 :TPR-105F / ラインセンサ(反射光量をAD変換)
ジャイロセンサ:1(個)
メーカ名や型番、用途や特徴 :MPU6500(TDK) / デジタル値出力型
エンコーダ:2(個)
メーカ名や型番、用途や特徴 :AS5050A(ams) / デジタル値出力型
動輪(車輪の個数と寸法):
2[輪]
直径:26.5[mm]
幅:12[mm]
補助輪(車輪の個数と寸法):
無し
ロボットの寸法:
長さ:150[mm]
横幅:240[mm]
高さ:35[mm]
重さ:135[g]
ロボットの操舵機構:
左右(2輪)速度差方式
運動性能:
直進時の最高速度 [m/s]
最高加速度 [m/s/s]
ターン時の最高速度 [m/s]
開発ツール:
マイコン統合環境やコンパイラなどのツール :
   GCC

機械CAD、基板CADなどのツール :
   Fusion 360, kicad
探索アルゴリズム:
トレース コース記憶あり
ロボットPR:
2次走行では最速経路の走行(いわゆるショートカット走行)を目指す.
- ライントレース的な制御は一切しない.ラインと異なる目標経路に追従するよう制御する.
- 経路生成を無理矢理グラフの最短経路問題に落とし込んで最速経路っぽいものを得る.
- 記録したコースマップから推定されるライン位置と実際に観測したライン位置のずれをもとにオドメトリによる自己位置推定を修正.
自己PR:
二次走行が完走したら嬉しいです.
ロボット製作の目的、大会参加目的:
ポイント獲得,実戦テスト
競技参加歴、成績(ロボット名):
競技会参加歴:5~9年目
マイクロマウス経験:3年目
トレースロボット経験:5~9年目
2015年:
2016年:
2017年:
2018年:
備考:

2019年12月7日土曜日

全日本大会

全日本大会に出場しました.

ロボトレース:第四位・ニューテクノロジー賞・特別賞 
マイクロマウス:第三位・ベストマウサー・特別賞 
全競技を通しての特別賞:田代賞

トレーサ・マウスともにほぼ期待通りに走り,多くの賞を受賞しました.特にロボトレースにおける賢いラインどり(ショートカット走行)が高く評価されたことはとても嬉しく思います.

全日本大会に向けた対策:

中部地区大会以降はロボトレーサの走行速度向上を行いました.全日本大会は国内の上位陣および海外の強豪のほぼ全員が出場します.地区大会時の速度レンジではショートカット走行をもってしても彼らに太刀打ちできません.走行性能改善のため,主にハードウェア要素の見直しを行いました.その結果,全日本大会では地区大会の時よりかなり速いコーナー速度で完走することができました.

最大の変更点はスポンジとシリコンシートを組み合わせたタイヤ(以降シリコンタイヤと表記)の解禁です.シリコンタイヤは路面との相性にもよりますがゴムタイヤよりもよくグリップします.一方で,ゴムタイヤよりもコーナーで大きく変形するためオドメトリのずれを引き起こしやすいという難点もあります.自分のマシンの自己位置推定はオドメトリに頼る部分が大きく,オドメトリの精度を落としかねないシリコンタイヤの採用はこれまで見送ってきました.しかし,上位陣に対抗するためにはゴムタイヤであれ横滑りしてオドメトリがずれる速度域で戦う必要が出てきたため,シリコンタイヤを使うことにしました.シリコンシートはマイコンカーラリー販売の黒いシートを使用しました.スポンジは3mm厚のPORONですが,マイコンカーラリーでよく使われているものより少し硬めのものを使っています.プロペラによるダウンフォースの効果もあり,変形しやすいという短所を消しつつ長所を引き出せたように思います.

また,ダウンフォースの最適化を行いました.プロペラの推力を上げると当然滑りにくくなります.しかし一方で,推力を上げすぎると消費電流が大きく増えて駆動系の方に電流が流せなくなり,制御に悪影響が出ます.これらのトレードオフについて実機のログを見て吟味し,これまでいい加減に決めていたプロペラの推力をちゃんと調整しました.

ロボトレースにおける賢いライン取り(ショートカット):

上から撮影した動画をアップロードされている方がいたので紹介させていただきます.上からだとロボットの走行軌道がよくわかります.

最初と最後のショートカットのインパクトが大きいですが,実はS字カーブや細かいカーブの連続もラインとは別の経路をたどっています.お気づきでしたか?自分は特定のパターンをショートカットするのではなく,ラインを辿らない方が速く走れる箇所は全てショートカットすることを目指しています.こういった動画で見ないと派手なショートカット以外はなかなかわかりにくいですが,速く走るという本来の目的のためには細かいショートカットも重要だと考えています.

また,この動画を見ると,実はコースアウトしそうになっている箇所があることに気付きます.(コマ送りして画面に定規を当ててみた感じだとぎりぎりコースアウトはしていないと思います) 今のロボトレースは速度レンジが上がっており,走行軌道を肉眼で正確に把握することはかなり難しいです.もし,ラインとは関係なく曲がり始めるショートカット走行が今後普及していくとしたら,ラインズマンが正確な判定をすることはかなり難しくなっていくと思います.

今後について:

ショートカット走行は速く走るためのものです.より速く,安定して走れるようにしていきたいと思います.また,(勝つために企業秘密にしたい気持ちも当然あるのですが,) ショートカット勢を増やしたいのでショートカット走行についてある程度情報公開していこうと考えています.というか企業秘密的な観点だと一番バラしちゃいけない上位の人達にすでに色々話しちゃっている

マウスについては…どうしましょうか… 自分はこじまうすの安定した動きに憧れてマウスを始めたという面があり,こじまさんやほかの宇宙人と呼ばれる方たちのマウスの設計や戦略などを真似をすることで自分のマウスを進歩させてきました.それはそれでとても勉強になったのですが,そろそろ新しいコンセプトを考えないといけない時期かもしれません.

2019年12月4日水曜日

中部地区大会

(下書きのものがあったので公開)

1年ぶり4回目の中部遠征.今年は初めて試走会から参加(試走会に行かないと大きいコースで調整する機会がない)

トレース:
試走会場でロボトレースのコースを見る(中部地区大会や関西地区大会では運営の都合上本番コースで試走できる.全日本に向けた調整機会としてはありがたい) 例年通り長いコース.ショートカットしがいのありそうなパターンもちらほら.
走らせてみる.攻めなければスタートまでは戻ってくる.しかし,大R→ショートカット→180度ターンというパターンで自己位置推定がずれ,180度ターンで疑惑の判定を生み出す(ラインより手前でターンする)現象がそこそこの頻度で発生.これはまずい.

色々試行錯誤してみるうちに,角度推定の累積誤差が原因なのではないかという考えが浮かぶ.ラインを使った推定角度の補正を強めてみる.改善した気がする.(試行回数が少ないので本当にそうかは不明) この状態で実戦に投入.疑惑の判定を生むことなく完走.3位.


マウス:
マウスは毎度のことながら動作確認だけするので精一杯.とりあえず壊れてなさそう.

本番の迷路は開幕からの連続ターン,からの櫛歯.壁を使って姿勢を整える場所がなく難しい.さすがに無理目のパラメータはだめだったが,それ以外は走った.他の競技者も苦戦していたため2位.

その他
ホテルが1103号室だった.ブラシレスのサイズと同じ.



2019年11月5日火曜日

学生大会

ロボトレースの調整機会を得るために学生大会に参加した.

試走日:
明星大学に向かう.何種類か経路があり,結構乗り換えが多い.町田・多摩ルートを選択.町田駅に見覚えがあると思ったら東京工芸大(厚木)に行くときにも通るんだった.

明星大学に到着.東日本の時はトレースの試走コースは板一枚の小さなコースだけだったが今回は東北地区大会で使われる予定だったコースもあった.実戦的なコースで調整できてうれしい.

大小2種類のコースで試走.東北コースではうまくいけばきれいにショートカットを決められる.しかし,安定しない それなりの割合でずれる・発振する.ログを取るとコーナーで過剰な横Gがかかっている.どうしたものかと悩んだまま試走会終了.ログやシミュレーションを見ながらホテルで悩む.位置に対するフィードバックのゲインを1/4にして明日試すことを決定.

大会当日:
前日決めた通りゲインを下げて試した.当然追従は甘くなるが許容範囲と判断しそのまま本番に投入することに決定.
本番のコースは終盤にやや大きめのぽこっとカーブやかなり長いなみなみがある.見せ場でショートカットできるか.
最終出走の一つ前で出走.探索は問題なく完了.経路計画も無事完了し,2走目開始.前半の長い直線などは問題なくクリア.ぽこっとカーブは完全にまっすぐ走るショートカットとはならなかったが,なみなみはしっかり直線のように走った.(なみなみショートカット中の少し右に偏っているように見えたが).この時点で暫定一位を獲得.残念ながら最終出走のUさんとはまだ勝負にならないとわかっていたので3走目は気楽な気持ちで少し攻めたパラメータを選択.完走できタイムを少し短縮.第2位.ラインとは別に速そうな経路を生成して走る取り組みが評価され特別賞もいただいた.

マウスは吸引と非吸引の2台出場.ロボトレーサの面倒を見るので精いっぱいで試走日に一回ずつ動作確認しただけでそのまま投入することになったが,問題なく走ってワンツーフィニッシュ(2位の非吸引マシンは同一製作者の2台目なので表彰対象外).非吸引の方は非吸引2輪でもこれだけ走れるという自分(や他の競技者)への煽りの意味もあって出場させ続けてきたが,そろそろ引退かな自分のマシン以外の話題だと,Cheeseのけりさんが二次走行におけるクラッシュからの復帰機能を実装していた.ピックアップすることなくマウスが走行し続けるという状況を実現しており,久々に感動した.

優勝,第2位,特別賞と3つ受賞したこともあり質・量ともにかなり豪華な副賞を頂いた.明らかに自分だけでは捌ききれない.どう配ろうか.

2019年9月12日木曜日

東日本地区大会

ロボトレースのポイントを確保するために遠征.

ロボトレース:出走番号2番とかなり早い出走.記録走行は問題なく終了.2走目は設定速度が無茶だったらしくコースアウトしてしまった.3走目は少し速度を落としてチャレンジ.ロボトレースは3走しかチャンスがないということでかなり不安だったが完走することができた.NVSの配信に写っていたので紹介.


動画からもわかるように,コース終盤のなみなみを加速しながらまっすぐ突っ切るいわゆるショートカット走行を決めることができた.全日本優勝レベルの人達には歯が立たず4位だったものの,ショートカット走行が評価されて特別賞を頂いた.なみなみをまっすぐ突っ切ることができるのは今の経路計画方法の大きな長所だと考えており,大会で決められたのはとても嬉しい.

マイクロマウス:問題なく走って2位.試走台ではかなり怪しかった2017マウスも本番は無理なパラメータ以外は走った.本番より試走台の方が難易度が高かったような…

当日は台風15号が関東に接近していましたが,迅速な大会進行のおかげで当日中に帰宅することができました.運営・選手のみなさまありがとうございました.

P.S.
私のトレーサの動画を撮っていた方がいたら共有してくださるとありがたいです.

2019年8月26日月曜日

逆プロペラ

トレーサに最近流行り(?)のプロペラを付けてみた.
重量は全体で135gくらい.プロペラの推力は50%の力で80g程度.ただしバッテリー電圧がかなり降下するので走行時はもう少し回転数を落とす必要がありそう.3分間持続可能な推力でプロペラなしよりグリップが改善するかはまだよく分からない.

2019年8月3日土曜日

関西地区大会

関西地区大会に参加.マイクロマウス競技のみエントリー.

土曜日は試走会.午前はロボトレースのコース設営.自分の指揮がグダグダで時間がかかってしまったが無事完了.作っておいたダンボール製のR15・R20・R30円弧の定規が役に立った.

午後から試走会.マウスは去年の全日本以来久々の走行.2018マウスは問題なさそうだったので何も変更せず.2017マウスは明らかに壁センサの調整があっておらず不安定.探索は壁読み間違いフェイルセーフが多発し最短は45度ターン連続で100%こける.しかし触るのが久々なので大幅変更はせず,壁センサの設定を少しだけいじって調整終了.エントリーしていないロボトレースもしれっと試走.経路を少しショートカットしようが素の走行速度が異次元な逆プロペラの2台には全く敵わないことを再確認.禁止されていない以上やるしかないか.オドメトリの役目が大きい自分の走り方とダウンフォースの相性がいいことは吸引マウスで経験済みなので真面目に検討中.

大会当日.不参加のロボトレース競技は全走行のコースアウト箇所を記録してみた.最初の十字路,最初のR15,長い直線前のS字カーブでのコースアウトが多かった.やはり十字路は初心者にとって難しい課題のようだ.

マウスは直線の少ない迷路.まずは2017マウスを走らせる.探索でエラー多発するもなんとか4走目にある程度速い経路,速いパラメータでの記録は残せた.非吸引2輪(ついでに言うと足回りはほぼ3Dプリント)でもこれだけ走れるということを示すために出場させ続けてきたがそろそろ調整がしんどくなってきた.そしてUさんの旧作を挟んで2018マウスの出走.こっちは試走会と同様安定して走った.自分の2017マウスも含めほかのマウスが探索に結構時間をかけていたなか2分で全面探索を終え,2次走行に3分残すことができた.二次走行は地区大会スペシャル(初代Fa〇tomを撃墜した実績のあるパラメータ)はダメだったものの昨年の全日本と同じターン速での記録は残すことができた.Uさんの新作が不調気味だったこともあり優勝.今回は勝てたが既に100%の力でモータを回している状態なので厳しい.